Mailchimpの値上げでMailerLiteに乗り換える前に|料金改定と、個人運営の落とし穴
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「Mailchimpが高いからMailerLiteへ」は、もう半分しか正しくない
Mailchimpの料金に不満を持って乗り換え先を探すと、MailerLite を勧める記事がいくつも見つかります。「無料枠が広い」「同じ規模なら安い」という理由です。
私も同じ理由で候補に挙げ、実際にアカウントを作って検証しました。
結論から言うと、2026年の料金改定で前提が変わっています。
- MailerLiteの無料枠は大幅に縮小されました
- 有料プランも値上げされています
- ただし、同じ規模で比べればまだMailerLiteの方が安い
つまり「乗り換えれば劇的に安くなる」ではなく、**「今も差はあるが、以前ほどではない」**が正確な状況です。
そしてもう一点、料金とは別に、個人で運営する場合に見落とされがちな問題があります。これは後半で書きます。
先に結論
| あなたの状況 | 判断 |
|---|---|
| 購読者が数千人規模 | 乗り換えの差額は大きい |
| 購読者が250人以下 | どちらも無料枠に収まる。急ぐ理由は薄い |
| 自宅で個人運営している | 住所公開の問題を先に確認(後述) |
| Mailchimpの機能に依存している | 移行前に代替可否の確認が必要 |
2026年の料金改定で何が変わったか
調査時点で確認できた変更点です。

料金ページで確認できた内容です。
| プラン | 月額(年払い) | 購読者数 | 月間配信数 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 250人まで | 2,500通 |
| Comfort | $10.80 | 選択制 | 5,000通 |
| Power | $22.50 | 選択制 | 無制限 |
| Enterprise | 個別見積 | 100,000人〜 | 個別 |
無料プランは購読者250人・月2,500通が上限でした。プラン名も Comfort / Power に変わっており、改定後の体系になっています。
改定前は500購読者・月12,000通だったので、配信数は5分の1近くまで絞られたことになります。
もう一点、無料プランで見落としやすい制限があります。Comfort プランの機能欄に 「Remove MailerLite logo」 と書かれています。つまり無料プランではメールにMailerLiteのロゴが入ります。(後述のフッター画像で実際に確認できます)
注意すべきは、Mailchimp側も無料枠を縮小していることです。「Mailchimpだけが値上げしている」わけではなく、業界全体の流れです。乗り換え先を探すときは、**移行先の最新の料金を、その都度ご自身で確認してください。**古い比較記事の数字は、すでに変わっている可能性があります。
それでも差はある
無料枠の話とは別に、有料プランの価格差は今も残っています。
購読者数が増えるほど差が開く構造で、数千人規模になると月額で数十ドルの違いが出ます。年間では無視できない金額です。
Mailchimpは、購読者数だけでなく送信数や機能でも課金が積み上がる設計です。一方MailerLiteは購読者数が主軸で、料金の見通しが立てやすい点が違います。
「劇的に安い」ではなく、**「規模が大きいほど効いてくる」**という理解が実態に近いと思います。
実際に導入してみた
アカウントを作って、登録フォームの作成とテスト配信まで試しました。

左上の「Trial 14 days left」に注意してください。登録直後は無料プランではありません。
私の場合、**アカウント審査で止まることはありませんでした。**登録後すぐに購読者の追加とキャンペーンの配信ができています。
ただし、ダッシュボードの左上には 「Trial 14 days left」 と表示されていました。登録直後は無料プランではなく、14日間のトライアルが適用されています。

登録フォームの作成は10分以内で終わりました。
n8n・Zapierと比べると、表示がシンプルで分かりやすいという印象です。項目が絞られていて、どこを触ればいいか迷いません。
詰まったのは1箇所だけで、メール本文のデザイン画面が少し見づらいと感じました。エディタの選択肢が3つ出てきますが、どれを選ぶべきかの説明が薄く、最初は判断に迷います。
(単純なテスト配信であれば「Simple editor」で十分でした)
個人運営で見落とされがちな点:メールに住所が載る
ここからが、料金比較の記事がほとんど触れていない部分です。
配信するメールのフッターには、送信者の住所が表示されます。

実際に届いたメールのフッターには、以下が表示されていました。
[送信者名]
[住所] ← 画像では黒く塗りつぶしています
You received this email because you signed up on our website...
Unsubscribe
Sent by MailerLite ← 無料プランのロゴ表示
**住所に加えて「Sent by MailerLite」も表示されます。**これを消すには有料の Comfort プラン以上(月$10.80〜)が必要です。
これは避けられません
MailerLiteの仕様ではなく、法律上の義務だからです。
| 法律 | 要求内容 |
|---|---|
| 特定電子メール法(日本) | 送信者の氏名・名称、住所、問い合わせ先の表示 |
| CAN-SPAM Act(米国) | 物理的な郵送先住所の表示 |
そのため、どのメール配信サービスでも同じです。Mailchimp、Kit、beehiiv、ActiveCampaign——いずれも住所の入力を求められ、フッターに表示されます。
サービスを変えても解決しません。「アフィリエイトリンクを含むメールは広告ではない」という理屈も通りません。
自宅で運営している場合
自宅住所を登録
↓
配信メールのフッターに表示される
↓
購読者全員が知ることになる
法人や事務所があれば問題になりませんが、個人が自宅で始める場合は、この点を先に把握しておく必要があります。
選択肢
| 方法 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 事業所の住所を使う | 0円 | 法人・屋号がある場合 |
| バーチャルオフィス | 月500〜2,000円 | 住所貸しのみなら最安帯。郵便転送付きで2,000円程度 |
| メール以外のチャネルを使う | ─ | 後述 |
**Account settings から、住所は後から変更できることを確認しました。**登録時に自宅住所を入れていても、配信を始める前にバーチャルオフィスの住所へ差し替えられます。
**登録した時点では公開されません。**実際にメールを配信したときに、そのメールのフッターに表示されます。つまり、配信を始める前に決めれば間に合います。
補足:Zapierも同じ構造だった
余談ですが、以前 Zapierを検証したとき にも同じことが起きました。
| サービス | 登録直後 | 期限後 |
|---|---|---|
| Zapier | Proプランのトライアル | Free(月100タスク・2ステップまで) |
| MailerLite | 14日間のトライアル | Free(250購読者・月2,500通) |
どちらも「登録直後は有料プランの体験」から始まります。
「無料で試して良さそうだったから続けよう」と判断した時点で、実は有料相当の機能を触っている——という構図です。無料で運用し続ける前提なら、トライアル終了後の制限で組めるかを先に確認してください。
私はメールではなくLINEを選びました
正直に書きます。私自身は、自分の読者向けの配信にMailerLiteを使っていません。
理由は、上に書いた住所の問題です。個人で運営しており、自宅住所を公開したくなかったためです。
代わりに選んだのがLINE公式アカウントでした。
| メール配信 | LINE公式アカウント | |
|---|---|---|
| 住所の公開 | 必要 | 不要 |
| 開封率 | 20〜30%程度 | 60%超 |
| 無料枠 | サービスにより異なる | 月200通まで |
| 有料 | 購読者数で変動 | 月5,000円〜(5,000通) |
日本語圏の読者が対象なら、LINEの方が届きます。ただし無料枠は月200通なので、登録者100人に月2回配信すれば上限です。規模が出てきたら月5,000円がかかります。
**「メール配信の方が安い」場面はあります。**ここは規模と用途で判断が分かれます。
どちらを選ぶべきか
私が整理した判断の順序です。
1. 事業所の住所があるか あれば、住所の問題は発生しません。料金で選んで構いません。
2. 購読者の規模はどのくらいか 250人以下ならどのサービスも無料枠に収まります。数千人規模なら、料金差が効いてきます。
3. 読者は日本語圏か 日本語圏中心ならLINEも有力です。海外向けならメール一択です。
4. Mailchimpの特定機能に依存していないか 移行してから「あの機能がない」と気づくのが最も避けたい事態です。使っている機能を先に洗い出してください。
5. 最新の料金を自分で確認する 料金改定が続いている領域です。比較記事の数字(この記事を含めて)は、すでに変わっている可能性があります。契約前に公式サイトでご確認ください。
まとめ
- **登録直後は14日間のトライアル。**無料プランの実力が分かるのは15日目以降
- MailerLiteは2026年に無料枠を250購読者・月2,500通へ縮小し、有料プランを値上げした
- 無料プランのメールには「Sent by MailerLite」が入る(消すには月$10.80〜)
- ただしMailchimp側も無料枠を縮小しており、業界全体の流れ
- 有料プランの価格差は残っており、規模が大きいほど効く
- メールのフッターには住所が載る。これは法律要件で、どのサービスでも同じ
- 自宅で個人運営するなら、バーチャルオフィスかメール以外のチャネルを検討する
※ 料金・仕様は調査時点のものです。改定が続いている領域のため、契約前に公式サイトでご確認ください。